格闘の末に咲いた「一輪の光」。微細な珠に込めた、店主の譲れない真っ直ぐな心。
──2010年3月21日の記録を、今の店主の視点で編み直した追記録。
三連休の中日。鑑定会の喧騒の裏側で、店主は人知れず「恐怖の大王」と呼ぶべき難題と向き合っていました。トータルで六時間以上。指先の感覚が麻痺するような時間の果てに、ようやく激闘を制した記録です。
店主をこれほどまでに手古ずらせたのは、一見すると可憐な表情を見せる、小ぶりなフラワーモチーフの作品でした。
■ 2ミリの静寂を貫く、職人の意地
今回、店主が挑んだのは、レッドアゲートやチェリークォーツを用いた繊細な編み込み。 何がそれほど困難だったのかといえば、それは「2ミリ」という極小の珠に隠された、針の穴のような隙間です。箇所によっては三本のテグスを通さなければならず、何度も、何度も跳ね返され、気が遠くなるような試行錯誤を繰り返しました。
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レッドアゲート: 生命の再生を促し、滞っていた人間関係を円滑に整える石。古来、血液に活力を与え、心身に瑞々しいエネルギーを巡らせるお守りとされてきました。
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チェリークォーツ(人工石): 若々しさを引き出し、新しい恋や前向きな感情を育むとされる、光を孕んだ石。
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レッドアベンチュリン: 感受性を豊かにし、持ち主がまだ気づいていない才能や魅力を引き出す、慈しみの石。
閉店間際、ようやく形になったその姿。フラワーモチーフに見えるかどうか、なんて冗談を言いながらも、当時の店主は自分自身を褒めてあげたいほどの充足感に包まれていました。
■ 苦労の先に宿る、愛おしい輝き
「可愛いから、良っか」 そんな軽い言葉の裏側に隠された、指先の痛みと、絶対に妥協しないという真っ直ぐな心。 効率を考えれば、もっと簡単な方法もあったのかもしれません。けれど、この繊細な重なりが生む、しんとした佇まいは、格闘した時間にしか宿らないものだと信じていました。
ようやく届いた達成感。スッキリとした晴れやかな心で、この一輪を皆様へお披露目したあの日。 当時の店主が注いだ熱量は、時を経た今も、色褪せることなく作品の中に息づいています。
【結びの余韻】
日々のささやかな気づきが、誰かの心の灯火になりますように。 この歩みを静かに見守り、背中を押してくださる皆様の存在が、何よりの励みです。
もし、今日の言葉が心に小さく響いたなら。 こちらから、一筋の応援を届けていただければ幸いです。
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