賑わいの中の静謐と、束の間の休息。春を待つ「赤」への想い。
──2010年3月14日の記録を、今の店主の視点で編み直した追記録。
2010年、ホワイトデー。 大分・トキハわさだタウンの会場は、春の訪れを待ちわびる人々で溢れ返っていました。 熱気渦巻く喧騒の中で、店主はただ黙々と石を紡ぎ、一人ひとりの想いを形にすることに没頭していました。新しいデザインを編み出そうという野心さえ、時間の波に飲み込まれてしまうほどの忙しなさ。けれど、その「撮る暇もなかった」という事実こそが、あの日、誰かのために尽くし切った職人の証でもありました。
告知の曜日を間違えては慌てて修正し、読者の皆さんに頭を下げる。 そんな不器用な日々も、今となっては微笑ましく、けれど真剣に歩んでいた大切な一歩です。
翌日には東日本への出張を控え、束の間の休息を求めて台所に立つ。 「トマトソースとチーズの組み合わせは最高だ」と公言しながら、その夜、実際に店主が作ったのはペペロンチーノ。
理想と現実、あるいは無意識に選んでしまったその一皿。 唐辛子の刺激とニンニクの香りが、遠征前の高揚感と疲れを等しく癒してくれたのかもしれません。トマトソースの情熱的な「赤」を想いながら、真っ白なパスタを啜る静かな夜。そのささやかな食卓の風景が、次なる地でまた新たな石を紡ぐための、確かな活力となっていました。
慌ただしく過ぎ去る季節の中で、ふと足を止め、自分の好きなものを慈しむ。 そんな飾らない店主の日常の断片が、今の「石屋蓮」に繋がる、穏やかで強い根を育てていたのだと感じています。
【結びの余韻】
日々のささやかな気づきが、誰かの心の灯火になりますように。 この歩みを静かに見守り、背中を押してくださる皆さまの存在が、何よりの励みです。
もし、今日の言葉が心に小さく響いたなら。 こちらから、一筋の応援を届けていただければ幸いです。
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