譲れない想いと、ささやかな日常。質問コーナーから紐解く「石屋蓮」の素顔。
──2011年7月31日の記録を、今の店主の視点で編み直した追記録。
大分での日々も、気づけば呼吸を整える余裕が少しずつ生まれてきました。連日、三日連続でラーメン屋に通いながらも、なぜか一度もラーメンを注文しない。そんな当時の自分自身の不器用な食生活に、思わず「ふふっ」と独りごちてしまいます。身体を酷使しながらも、心はどこか昂ぶっていたのでしょう。
今日は、当時の読者の皆様から募った「質問コーナー」への回答を振り返ります。そこには、職人としての顔、そして一人の人間としての飾らない「店主」の姿がありました。今の視点で見返すと、根底にある想いは15年経った今も、何一つ変わっていないことに気づかされます。
■ 逃げない強さと、伝える使命
当時の回答の中で、特に印象的だったのが「譲れないこだわり」についての問いです。店主はこう答えていました。「絶対に逃げない」と。
それは負けん気の強さというよりは、自らの人生、そして預かった石たちの運命に対して「不誠実でありたくない」という切実な願いだったのだと思います。また、「石屋をしていなかったら?」という問いには、「何かを人に伝える仕事」を選んでいただろうと。今の店主が、石という枠を超えて言葉を紡ぎ続けているのも、この時すでに決まっていた道だったのかもしれません。
■ 職人の日常、そして皆様への願い
一方で、日常の些細な好みについての回答は、今の自分から見てもどこか微笑ましいものです。いくつか、当時の空気感をそのままに抜粋してみます。
- 朝の相棒: 出勤前にはブラックの缶コーヒー。当時の定番は『ポッカ アロマックス』。一日のスイッチを入れる、しんとした朝の儀式です。
- 甘い誘惑: エクレア、ガトーショコラ、ティラミス。チョコを使った濃厚な甘みに癒やされるのは、頭をフル回転させている証拠でしょう。
- 旅の夢: 「読者さん全員に会う」。北海道から鹿児島まで、全国を渡り歩きながら石を繋ぐ旅は、今も形を変えて続いています。
当時はただ、「何も考えずにボ~ッとできる休みが欲しい」と切実に願うほど多忙を極めていました。けれど、そんな泥臭い日々の中で、皆様と交わした言葉のひとつひとつが、今の「石屋蓮」という大樹の根を育ててくれたのだと痛感します。
今の店主は、当時の自分にこう声をかけたい。「その忙しさの先に、かけがえのない景色が待っているぞ」と。
皆さんとの出会いがあるからこそ、店主は今日も真っ直ぐに立ち、石を打つことができます。かつての質問が今の店主を支えているように、この言葉もまた、誰かの心を照らす小さな灯火となりますように。
【結びの余韻】
日々のささやかな気づきが、誰かの心の灯火になりますように。
この歩みを静かに見守り、背中を押してくださる皆様の存在が、何よりの励みです。
もし、今日の言葉が心に小さく響いたなら。
こちらから、一筋の応援を届けていただければ幸いです。
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