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百貨店の「案内所」と化した店主の日常。場所を選ばず石を紡ぐ情熱の記録。

石屋蓮の歩みを象徴するロゴマーク。過去の「鑑定会スケジュール」と「ブログを今の店主の視点で編み直した」ことを証明するもの。現在はアーカイブとして公開されています。

──2011年7月6日の記録を、今の店主の視点で編み直した追記録。

百貨店での鑑定会。しんとした空気の中で石と向き合う時間を想像されるかもしれませんが、当時の現場は、それこそ「動」の極みでした。石を紡ぎ始め、意識を集中させようとした瞬間に、どこからともなく声が掛かります。

「すみません、お中元ギフトセンターはどこですか?」
「空港行きのバス乗り場、教えてもらえる?」
「お昼ご飯食べるところ、どこかしら……」

店主は石屋であって、百貨店の案内係ではないのですが(笑)、不思議なことに、なぜか昔から道を尋ねられたり、頼られたりすることが多いのです。開店からお昼までのわずかな間に、実に20件ほどのご案内。通算すれば、1回の会期中に200回は道案内をしていたのではないでしょうか。

■ 求められる場所にこそ、道は拓ける

正直なところ、「案内所を正面玄関に作ってくれ!」と愚痴をこぼしたくなる瞬間もありました。ご予約で対面しているクライアント様の横で、次々と施設の質問に答える店主の姿を見て、驚かれた方も多かったはずです。当時の自分は、きっと新入社員の方よりも、会場となった松坂屋豊田店の構造に詳しかったと自負しています。

けれど今振り返れば、この「隙」こそが大切だったのだと感じます。あまりに近寄りがたいオーラを放っていたら、道を聞くことすら躊躇われるはず。石を扱う職人としての譲れない想いは胸の奥に仕舞いつつも、外側は誰でも気軽に声を掛けられる「町の案内所」のような親しみやすさがある。その絶妙な緩急が、多くの方とのご縁を繋いでくれたのかもしれません。

■ 喧騒の中でこそ磨かれる、集中という名の輝き

静かな山奥で石を組むのも一つの道ですが、こうした人の欲望や活気が渦巻く百貨店の中心で、誰かの日常を助けながら石を紡ぐ。その泥臭い経験が、店主の作る石に「現実を生き抜くための力」を宿らせてくれたのだと思います。

午後からは、もう少しだけ石との対話に集中させてもらえれば……と願いつつ、もしまた誰かに道を尋ねられたら、きっと店主は笑顔で「8階のギフトセンターへどうぞ」と答えてしまうのでしょう。それが、旅する職人としての、店主の在り方なのですから。


【結びの余韻】
日々のささやかな気づきが、誰かの心の灯火になりますように。
この歩みを静かに見守り、背中を押してくださる皆様の存在が、何よりの励みです。

もし、今日の言葉が心に小さく響いたなら。
こちらから、一筋の応援を届けていただければ幸いです。

日々の歩みを、応援で支える


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