数字の裏側にある温度と、見えない絆に導かれて。山形での新たな歩み
一昨年、初めてこの土地に足を踏み入れたときから、店主の心の奥底にずっと残り続けている空気があります。
松岬神社の波紋を広げた手水の冷たさ。
上杉神社の境内にそびえ、冷徹なまでの視線を放つ謙信公像。
蔵王温泉の湯気の中に溶け込むような、あの深い木々の香りと、七日町・御殿堰のそばで耳にした、街の息遣いと水が交ざり合う独特の音色。

それら一つひとつの光景が、まるで点と点が繋がるように店主を山形へと引き戻しました。
そして昨日から、洗練された外観の会場で、一人ひとりのクライアント様と向き合う三日間を迎えています。

■ 数字の裏側にある、抗いがたい引力
経営の数字という冷徹な現実だけを見れば、縁の薄いこの地での完全予約制の挑戦は、決して楽な道ではないと思います。
赤字を覚悟せざるを得ないのが、今の店主にとっての偽らざる現実。
しかし、不思議とこの土地には、それを差し引いてもなお通い続けたいと思わせる、抗いがたい引力があるのです。
この旅で、それを決定づける出来事がありました。
二年前の初訪問の際、何気なく迷い込んだ小さな神社で、「この街が好きだから、また必ず仕事でご挨拶に来ます!」と、境内の静寂の中で誰にも聞こえない声で決意表明にも似た約束をしました。
今回、コストを重視して直感的に選んだ宿にチェックインし、荷を解いてすぐ外へ出た瞬間、店主はその場に立ち尽くしました。
玄関を出てすぐ目の前。
二年前、確かに手を合わせたあの神社が、ホテルの真向かいに、あの日のままそこに在ったのです。
奇遇だとか、偶然だとか、そんな言葉では片付けられない何かが、この土地と店主を繋ぎとめています。
■ 予定を変更してでも、根を下ろしていく
2004年に始まり、最も長く繋がっている活動の原点である大分。
2018年から手探りで始め、気づけば「地元よりも地元感」が深まっていった盛岡。
それらに限らず、名古屋や広島など長く鑑定会を開催しているどの土地も、初めて訪れた瞬間にこの肌で感じた「空気感」が決定打となっています。
今の山形も、間違いなくその系譜にある。
だからこそ、当初考えていた秋田との二年ごとの交互開催という保険のような選択は、もはや意味をなさないのではないかと思うのです。
予定を再度変更してでも「年一回開催」へと舵を切り、この土地にしっかりと根を下ろしていくべきなのだと、確信が胸の底から湧き上がっています。
■ すべての縁を、大切に紡いでいく
道の駅では丸ごと買えず諦めたものの、スーパーで運良く手に入れた尾花沢のスイカ。
近年まれにみるほどドハマりしている山形名物「冷たい肉そば 」の、喉越しのよい滋味深さ。
数字の裏側にある温度、そして目に見えない巡り合わせに導かれるようにして始まった山形での歩み。
ここから生まれるすべての縁を、店主はこれからも大切に、一歩ずつ紡いでいきたいと思います。
【結びの余韻】
日々のささやかな気づきが、誰かの心の灯火になりますように。
この歩みを静かに見守り、背中を押してくださる皆様の存在が、何よりの励みです。
もし、今日の言葉が心に小さく響いたなら。
こちらから、一筋の応援を届けていただければ幸いです。
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